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女体裸身
自作の詩を公開します。
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DATE: 2008/09/18(木)   CATEGORY:
歯車
カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで

工場作業は朝9時朝礼からはじまる、それは社会の無機物の一部になる瞬間
値付けは季節の移りかわり直前とボーナス直前が一番忙しい
値段をつける賞品は多種多様で、スーパーや百貨店に並んでいる品物全て

工場の内部にはダンボールがうずたかく積まれていて、太陽の光は入らない
世界各国から貨物船やエアカーゴに乗っかてやってきた工場製品たち
最近は蛍光灯に映し出される文字シュウマイ、ハエたたき、キーホルダー・・・
中国語で書かれたダンボールでいっぱいだ

荷物を積みおろすのは男たちで、たいがいフォークリフトを使っている
細かい作業は女たちで、テーブルに向かい合って一列に並んでいる
道具はカッター、ガムテープ、はさみ、ピストルだ
通称ピストルは根付けの重要な位置を占める大事な道具
綿、絹、合成繊維は引き金ひとつだけであっという間に値段がつけられる
万が一手をすばらせても怪我には及ばない親切な道具

ダンボールを開いてみるが異国情緒は全くなくて
経済力の強みなのか日本好みの商品に製造されているものばかり
なんの面白みもないままに、黙々と製品に値札をはさんでピストルを撃ちはじめる

カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで

立ちぱなし、撃ちぱなしの数時間、倦怠と疲労はとっくにピークを越えている
商品も大体見飽きてしまって、値札が全部うまくついたとほっとする暇もなく
ダンボールにつめなおしたら、また新しいダンボールが次から次へとやってくる

カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで

頭はどんどん朦朧として、何がよくってこの仕事を選んだかも忘れてしまっている
外が暗くなった頃には、意識にはただピストルの音が残るだけ
歯車どうしが重なるように聞こえて、労働者を癒すことなく響いている

カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ
カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ

家路に向う電車や車の騒音たちも、明日の作業に呼応して
だらだらと夜道に肩をおろして歩いていけば、すれ違う人さえ値段がつく

ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ
ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、ベチャ

この仕事をはじめてもう十数年たってしまっていることも
身体がだんだんいうことをきかなくなって壊れてきてしまっていることも
知ってはいながら、働きつづけなくては生きていけない日々

カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで
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